ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

今回はJリーグの話題から。今年はコンサドーレ札幌が好調ですね。このブログを書いている時点で何と4位です!J2ではないです、J1です(笑)。3月半ばから約2か月間は11戦無敗(7勝4分け)の快進撃でした。その後やや調子を落としましたが、直近4戦は無敗(2勝2分け)と再び勢いを取り戻しつつあります。J1過去最高位(11位)更新はもちろん、アジアチャンピオンズリーグ出場権獲得(3位以内)も決して夢ではありません。明日はスペイン代表イニエスタの加入に沸く神戸戦です。優勝争いをしている川崎戦や広島戦も残しており厳しい戦いが続きますが、頑張ってもらいたいと思います。

それでは本題に入って参りましょう。今回は貸付事業用宅地等の3回目になります。今日は相続財産の中に駐車場用地が含まれている場合について、具体的に見ていきましょう。

駐車場用地は貸付事業用宅地等に該当する場合と該当しない場合があります。該当するのとしないのでは相続税額が全然違うことは前々回ご説明しました。それでは駐車場用地が貸付事業用宅地等に該当するためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

まずは小規模宅地等の特例の条文を改めて確認します。

小規模宅地等の特例の対象となる宅地等とは、

①個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、
②当該相続の開始の直前において、
③当該相続若しくは遺贈に係る被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族の
④事業の用又は居住の用に供されていた宅地等で
⑤財務省令で定める建物又は構築物の敷地の用に供されているもののうち政令で定めるもの

をいいます。

太字にした部分がここでは非常に重要です。つまり、小規模宅地等の特例が適用可能になるためには、敷地の上に建物又は構築物が存在しなければならないのです。駐車場で問題になるのは主として建物ではなく構築物です。駐車場用地の上に構築物があれば貸付事業用宅地等に該当しますし、構築物がなければ貸付事業用宅地等には該当しないということになります。それでは構築物とは一体何を指すのでしょうか。

一番わかりやすいのはコインパーキング(時間貸し駐車場)の設備です。タイムズ24とか三井のリパーク等を思い浮かべてください。駐車場料金の精算機、出入口のゲート、クルマ止め、看板、フェンス、アスファルトなどの設備が構築物になります。このようにそれなりにお金がかかっていて、撤去も容易ではない設備(構築物)がある駐車場用地であれば、貸付事業用宅地等に該当します。逆に特に設備投資もせずにそのまま貸している月極駐車場(いわゆる青空駐車場)などは、構築物がありませんので貸付事業用宅地等には該当しません。

それではアスファルトや砂利を敷き、簡易な看板やフェンス等を設置している月極駐車場はどうでしょうか。一応構築物はありますよね(砂利も構築物になります)。このような微妙なケースは判断が悩ましいため税務調査等でトラブルになることが多く、裁判例や裁決例も多数存在します。今のところはっきりとした判断基準は存在しないのですが、駐車場を始めるに当たっては最低限アスファルトや砂利を全体的に整備し、その後も定期的に補修等をしていれば貸付事業用宅地等に該当する可能性は高まります。

補修等の目安としては、アスファルトは減価償却資産としての耐用年数が10年、砂利は耐用年数が15年ですので、少なくともそのサイクルではメンテナンスの必要があります。また、痛みが激しく地面が露出等するようであればそれより短い期間であってもメンテナンスしなければならないものと考えられます。つまり構築物の維持管理にそれなりにお金と手間暇をかける必要があるということですね。したがってアパート等の賃貸経営と同様、駐車場経営においても管理というものがとても大事になります。「ズボラ」な対応をしていると税務上も不利益を受けることになりかねませんので、十分に注意が必要です。

確実に貸付事業用宅地等に該当するためには、できればタイムズ24とか三井のリパークのような形態の駐車場が望ましいのですが、全ての土地が場所柄コインパーキングに向いているとは限りません。特に郊外などはむしろ月極駐車場に向いている土地の方が多いものと思われますので、その場合には上記のように構築物の維持管理を惜しまず行うようにしてください。

貸付事業用宅地等については以上になります。次回からは特定事業用宅地等についてお話ししていく予定ですので、当ブログをまたぜひご覧ください。

それでは今週はこの辺で。
また再来週お目にかかります