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消費税率引き上げの延期と相続・贈与への影響について

ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

リオオリンピックが開幕し、メダルラッシュで日本中が沸いていますね。私もテレビを見る時間はあまりないのですが、スマホで随時ニュースをチェックしています。イチローもついにメジャーリーグ3,000本安打を達成しましたし、スポーツ界も熱い夏になっていますね。

さて、今週も時間的に厳しいので相続対策における生命保険の活用方法の連載は来週に延期します。たびたび申し訳ありません。今回は消費税率引き上げの延期と相続・贈与への影響について書きたいと思います。

もうすでに皆さんご存知のように、消費税率を8%から10%に引き上げるのは延期となりました。つまり、来年春(平成29年4月)から10%にする予定だったのを2年半延期し、平成31年10月1日からとなりました。そしてそれに伴い、消費税率の引き上げと同時に施行されることになっていた景気対策等の激変緩和措置等も延期となりました。そしてその中には相続や贈与に関係するものも含まれています。

具体的には、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度に影響が出ています。この制度については以前当ブログで相続対策における生前贈与の連載をした際に5回にわたって取り上げましたので、制度の詳細等については下記のリンクからご覧ください。

上記の連載の第3回目で非課税限度額を一覧でご紹介しましたが、それが次の表のように変わります。

1.下記2以外の場合(住宅用家屋の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が8%である場合若しくは個人間で中古住宅等を売買する場合)

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日 耐震等の良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋(一般住宅)
平成28年1月~平成32年3月 1,200万円 700万円
平成32年4月~平成33年3月 1,000万円 500万円
平成33年4月~平成33年12月 800万円 300万円

2.住宅用家屋の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日 耐震等の良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋(一般住宅)
平成31年4月~平成32年3月 3,000万円 2,500万円
平成32年4月~平成33年3月 1,500万円 1,000万円
平成33年4月~平成33年12月 1,200万円 700万円

以前の表と見比べてみてもらえばわかるのですが、それぞれ期間が2年半延期または延長された形になっています。

なお、この非課税制度を利用する場合は必ず申告期限までに贈与税の申告をしてください。これは非課税限度額以内の贈与で贈与税が発生しない場合でも同様です。非課税限度額以内の贈与は贈与税を支払う必要がないので申告もしなくて良いと勘違いされている方が時々いらっしゃいます。贈与税額が0円なので無理もありませんが、この場合でも必要書類を添付して納税額0円の申告書を申告期限内に提出しなければなりませんので十分注意してください。申告期限は原則として贈与年の翌年3月15日です。

もし申告期限内に提出しなかった場合は原則として通常の暦年贈与として追徴課税され、莫大な贈与税を支払う羽目になります。しかも無申告加算税(追徴税額50万円の部分までは15%、それを超えた部分は20%)や延滞税(平成28年は年率9.1%)も併せて支払わなければなりません。申告をしなかった(あるいは忘れた)だけで大変な負担増となってしまいます。

贈与税は無申告の割合が他の税目に比べて格段に多く、贈与税の税務調査の約9割は無申告事案になります。そのうち約7割は現金・預貯金等が占めています。これは意図的に申告しなかったというよりは、身内の現金等のやり取りが贈与に当たるという認識がなく、贈与税の申告をしなければならないという意識が薄いことが主な要因であると思われますが、この中には住宅取得等資金の贈与もかなり含まれているのではないかと想定されます。今回は以上です。今回も最後までお読みいただきどうもありがとうございました。

それでは今週はこの辺で。また来週お目にかかります。

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