ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。
前回前々回と号外として10月からの消費税増税と軽減税率について解説しましたが、今回からまた通常の相続関連の連載に戻ります。引き続きよろしくお願いいたします。
それでは早速本題に入って参りましょう。今回は配偶者短期居住権についてです。被相続人が亡くなると自宅等の遺産は遺産分割が完了するまで原則として共同相続人全員の共有となります。また、被相続人が遺言で自宅を配偶者以外の者(受遺者等)に遺贈等していることもあります。そうすると現行民法では被相続人の自宅で同居等していた配偶者が不安定な地位に置かれ、その居住が脅かされるという事態も起こり得ます。そこで改正民法では配偶者の居住権を一定期間保護するため、配偶者短期居住権という新しい権利が創設されることとなりました。これにより、配偶者は最低6か月間(6か月以内に遺産分割協議が整わない場合は、遺産分割協議がまとまるまで)は引き続き被相続人の自宅に住み続けられるようになります。
配偶者短期居住権は無償での居住権を保障していることから、使用貸借に類似する権利とされています。使用貸借に基づく権利(使用借権)は財産的価値が殆どないことから税法上評価額は零とされていますが、配偶者短期居住権も同様の考え方になりますので、相続税の申告上財産評価をする必要はないことになります。なお、配偶者短期居住権については、遺産分割協議においてもその財産的価値等を考慮する必要はありません。また、配偶者短期居住権は配偶者が相続放棄をした場合でも保障されていますが、配偶者が欠格や廃除によって相続権を失った場合は配偶者短期居住権も失いますのでご留意ください。この改正は令和2年4月1日以後の相続・遺贈から適用になります。
配偶者短期居住権については以上です。少し短めですがキリが良いので今回はここまでにします。次回からは配偶者(長期)居住権になります。こちらは盛りだくさんですので、複数回に渡って掲載する予定です。またぜひご覧ください。
それでは今週はこの辺で。
また再来週お目にかかります。
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