ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

今日は税制改正についてはいったんお休みして、固定資産税がテーマです。
4月に入り、土地や建物を所有されている皆さんにはこれから固定資産税の納税通知書がその土地や建物が所在する市町村から送られてくるかと思います。
固定資産税も結構な金額になりますよね。

固定資産税は賦課課税方式と言いまして、市町村で税額を計算して納税通知書を送ってきます。納税者はその納税通知書に従って固定資産税を納める方式です。
これに対して原則として確定申告が必要な所得税や相続税等は申告納税方式と言います。

賦課課税方式だと自分で税金計算をするわけではないので、どのように税額が決まっているかよくわからないですよね。
今日はそんな固定資産税の仕組みについてこれから書いていきたいと思います。

タイトルにもありますように、今年度(平成27年度)は固定資産税の改定年度です。固定資産税は毎年改定されるわけではなく、原則として3年に一度改定されます。前回の改定は平成24年度でしたので、今年度は改定年度になるというわけです。

もう少し具体的に見ていきましょう。
お手元に固定資産税納税通知書(冊子形式になっています。)がありましたら、その中ほどにある課税明細書と照らし合わせながら読んでいただくと、より理解しやすいかと思います。

固定資産税の税額は、原則として下記の式により算出します。
<算式>土地や建物の課税標準額×1.4%

1.4%というのが税率です。正確には標準税率と言い、地方税法という法律で定められているのですが、市町村の条例によってこれとは異なる税率にすることも可能です。
ただ、固定資産税の場合はほとんどの市町村は標準税率の1.4%を採用しているようです。

課税標準額というのは、基本的にはその土地や建物の価格です。
価格は課税明細書では評価額と記載されている場合もあります。
したがって、固定資産税は土地や建物の価格(評価額)によって決まります。土地や建物の価格(評価額)が高ければ高いほど、固定資産税額も高くなります。

ここであれっ?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
価格(評価額)が課税標準額と異なっているものがありますね。
これは政策上、住宅用地等は課税標準額を一定割合減らすことで固定資産税を減額しているからなんです。
この一定割合は決まっていますから、住宅用地等の固定資産税額についても、土地等の価格(評価額)次第で決まることに変わりはありません。

では土地や建物の価格(評価額)はどのようにして決まるのでしょうか。
建物については一定の基準に基づいて市町村が価格(評価額)を算出しますが、その算出方法が非常に複雑であるということと、建物は千差万別であるということから、ここでは土地の価格(評価額)に絞ってお話ししていきます。

土地の価格(評価額)は改定年度の前年1月1日現在の地価公示価格を目安として、その7割程度に設定されます。
したがって、今年度(平成27年度)の改定により、土地の価格(評価額)は平成26年1月1日現在の地価公示価格の7割程度となります。

ここで地価公示価格って何?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
詳細はまた回を改めて土地の時価をテーマにこのブログを書こうと思っていますので、その際にまた詳しくお話ししますが、国土交通省が全国各地に標準地を定め、売買取引価額の参考となる時価(毎年1月1日現在)を調査して毎年3月に公表しています。これを地価公示価格といいます。

地価公示価格は今年も昨年も3月18日に発表されています。翌日の新聞にも主だった地点についての地価公示価格は掲載されていますが、詳しく調べたい方は下記のリンクから検索してみてください。
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=0&TYP=0

地価公示価格は基本的には緩やかな下落傾向が続いていますが、最近の景気回復に伴い下げ止まりの状況も見られ、都市部を中心に一部地域では上昇しているところもあります。
今年度は固定資産税額が大きく変わっている可能性もありますから、納税通知書が届いたらチェックしてみてください。

固定資産税についてはまだまだ書きたいこともあるのですが、長くなりますので次回パート2で続きを書きたいと思います。

最後に私事で恐縮ですが、今日は70年前に沖縄戦で戦死した祖父の命日です。
このブログを祖父に捧げたいと思います。平和であることに感謝して合掌。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは今週はこの辺で。また来週お目にかかります。