ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

先日日本のロックバンド「ストリートスライダーズ」が23年ぶりに再結成して日本武道館でライブを行うというニュースがありました。スライダーズは1983年にデビューして2000年に解散したのですが、私はオリコンチャートで初登場1位に輝いた1986年発売のアルバム「天使たち」から聴き始め、その後レゲエなど音楽性を広げていくにつれ熱心なファンの一人になりました。1993年には念願叶って日本武道館でのライブを見ることができたのですが、MCはほとんどなくひたすら演奏するというシンプルなステージで、MCがない分たくさんの曲を堪能することができ、素晴らしい内容だったことを今でも覚えています。スライダーズが再結成するとは夢にも思わなかったので、思いがけない朗報に大喜びしたファンの方も多いのではないでしょうか。私も最近は昔のスライダーズのCDを引っ張り出してよく聴いています。皆さんはどんな音楽がお好きですか?

それでは本題に入って参りましょう。今回は令和5年度税制改正大綱のうち無申告加算税の見直しについてです。相続税にせよ贈与税にせよ申告納税方式の国税には申告・納付期限が定められていて、その期限を1日でも過ぎると無申告加算税が賦課されます。ここでの「無申告」というのは申告期限までに「無申告」という意味ですので、期限後申告になってしまった場合は無申告加算税が課せられますし、その後の修正申告でも、過少申告加算税ではなく、より割合の高い無申告加算税が課せられることになっています。最初に期限後申告になってしまったことが、後々までついて回るんですね。したがって無申告事案が多い贈与税はもちろん、相続税でも遺産分割未了などの理由で原則相続開始日から10か月以内に申告・納付がなされないと、その後の申告には無申告加算税がかかってしまうわけです。

そして現在無申告加算税の割合は原則として税額50万円までが15%、50万円を超えた部分が20%です。例えば納税額1,000万円に係る無申告加算税は50万円×15%+(1,000万円ー50万円)×20%=197万5千円となります。これが今回の改正では300万円を超える部分については30%に引き上げられることになりました。したがって改正後は、50万円×15%+(300万円ー50万円)×20%+(1,000万円ー300万円)×30%=267万5千円となり、70万円も増えることになります。税額が大きい相続税や贈与税に与える影響が大きい改正ですね。余分な税金を納めないようにするためには、今まで以上に申告期限を守ることが重要になってきます。この改正は、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。

なお、無申告加算税については、繰り返しの無申告行為に対する無申告加算税の10%加重も盛り込まれていますが、これは主に所得税や法人税などを念頭に置いた改正と考えられます。
無申告加算税については以上です。次回も令和5年度税制改正について解説しますので、またぜひご覧ください。