ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。
今年もよろしくお願いいたします。

平成28年(2016年)第1回目の投稿となりますが仕事始めの週でバタバタしていますので、ボリュームは少なめで行きたいと思います。ただ内容はちょっと重いです。

昨年12月16日に民法に関する重要な最高裁判決がありました。
一つは夫婦同姓(民法750条)、もう一つは女性は離婚して6か月間は再婚禁止(民法733条1項)という規定です。前者は合憲、後者は違憲という判断になりました。

夫婦同姓については近年選択制夫婦別姓制度の是非を巡って議論が行われてきましたが、この合憲判断で夫婦同姓そのものは憲法に違反するものではないという結論が出されました。ただ最高裁判決では選択制夫婦別姓制度に合理性がないと判断したわけではなく、国会で議論すべきものであるとも述べています。

再婚禁止規定については、子どもが生まれた時に前夫の子なのか現夫の子なのかを法的に確定させるためにこのような規定が設けられています。ただ、現民法では離婚してから300日以内に生まれた子であれば前夫の子と推定し、再婚して200日を過ぎてからの子であれば現夫の子と推定しています。

よって、再婚禁止期間が100日あれば重複期間が生じることはなく、どちらが父親であるかは少なくとも法的には確定することになります。したがって、6か月の再婚禁止期間は不当に長すぎるので憲法で保障する結婚の自由(憲法24条)を過剰に制約するものであり、法の下の平等を定めた憲法14条1項に違反するという結論が出されました。これを受けて法務省は即日全国の自治体に再婚禁止期間を100日として取り扱うという通知を出しました。そして今通常国会で正式に民法が改正される予定です。

記憶に新しいのは3年前の平成25年9月4日に出された非嫡出子に関する最高裁判決です。この時は非嫡出子の法定相続分が嫡出子の2分の1であるという当時の民法の規定が法の下の平等を定める憲法14条1項に違反するという判断が下され、それを受けて民法が改正され、最高裁判決の翌日である平成25年9月5日以後相続開始分から非嫡出子も嫡出子も法定相続分は同じとなりました。

今年から選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられることになりましたが、それを受けて民法で定める成人年齢も20歳から18歳に引き下げるべきではないかという議論も起きています。
民法に関しては財産法(債権)の部分が明治以来の大改正を予定していますが、今回の最高裁判決や18歳選挙権の実施を受けて家族法(親族・相続)の部分などにも見直しの機運が高まることも考えられます。民法の改正は相続にも直結しますので、今後の動きを注視していく必要がありそうです。目新しい情報が出てきましたら当ブログでも随時お知らせしていく予定です。

私事ですが、今日で48歳になりました。年男です。また、今年は社会人になって丸25年でもあります。色々と節目の年になりますが、今年もよりパワーアップして皆さんに有益な情報を提供していく所存です。何卒よろしくお願いいたします。

それでは今週はこの辺で。
また来週お目にかかります。