ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

お正月気分も抜け、いよいよ今週から本格的に仕事という方も多いかと思います。健康に留意して今年も頑張ってまいりましょう。

それでは本題に入ります。今週からは昨年12月8日に発表された平成29年度税制改正大綱について取り上げます。今回の税制改正では配偶者控除の見直しがマスコミを賑わせていましたが、相続に関する重要な改正もいくつか入っています。今回は以前当ブログでも取り上げましたいわゆるタワーマンションについて、課税の見直しが行われることになりましたので詳しく見ていきたいと思います。

タワーマンションについては現在はどの階であろうと同一マンション内で床面積が同じであれば、原則として固定資産税も同額になります。しかし実際の取引価格は高層階になればなるほど高額になり、高層階と低層階では数倍の差がつくこともありますので、現行の課税方法はそういった実態を反映しておらず不公平ではないかという批判がありました。また、相続対策におけるタワーマンション節税の行き過ぎも指摘されていたところです。これらを受けてついに税制改正大綱に改正案が盛り込まれることになったというわけです。

具体的には、1階を100として、階が一つ上がるごとに39分の10(約0.2564)ずつ加えていくことになります。ちょっとわかりにくいと思いますが、この方法だと40階で110となりますので、1階に比べて40階の固定資産税は10%増ということになります。ちなみにここで言うタワーマンションとは建築基準法上の超高層建築物を指し、高さが60mを超えるものになります。階数で言うとだいたい20階建て以上になるようです。40階だと120mを超えてきますので、結構高いですよね。そうすると10%の差というのはちょっと小さ過ぎる気もします。

ただ、昨年ある不動産鑑定士さんのセミナーを受講した時に教えてもらったのですが、タワーマンションの価格は地域差が大きいらしく、西日本は総じて東日本ほど階層による価格差は大きくないそうです。また、タワーマンションの価格は階層だけで決まるものでもなく、日当たりの良さや角部屋かどうかといった要素なども重要になってきます。そう考えるとあまり極端な差をつけるわけにはいかなかったのだと思われます。

以上のことから、今回の改正は実勢価格と固定資産税評価額の乖離を利用したタワーマンション節税の抑止策としては限定的であると言えます。タワーマンション節税については他の方法も併せて今後も課税強化を図っていくものと予想されます。なお、タワーマンション節税の仕組みや課税強化の方向性、それと相続専門税理士としてのタワーマンション節税についての見解を以前当ブログで連載しましたので、詳しいことは下記のリンクからご覧になってください。

【緊急速報】国税庁、「タワーマンション節税」に対する課税を強化の方向へ(その1)

【緊急速報】国税庁、「タワーマンション節税」に対する課税を強化の方向へ(その2)

【緊急速報】国税庁、「タワーマンション節税」に対する課税を強化の方向へ(その3)

なお、この改正は平成29年4月1日以降に売買契約が締結され、平成30年度から新たに課税されることとなるタワーマンションから適用されます。また、都市計画税や不動産取得税も同様の改正が行われます。

タワーマンションに対する課税の見直しについては以上になります。次回も平成29年度税制改正大綱のうち相続に関係するものについて引き続き解説する予定です。来週もぜひご覧ください。

話は変わりますが、今日はデヴィッド・ボウイの一周忌です。昨年当ブログでも追悼記事を掲載しましたが、あれからもう1年も経ったのかという感じです。一昨日は生きていれば70歳の誕生日でしたが、その一昨日からは東京で「デヴィッド・ボウイ大回顧展」が開催され賑わいを見せているようです。興味のある方は下記のリンクを参照してみてください。

http://davidbowieis.jp/

昨年はデヴィッド・ボウイを皮切りに、大物ミュージシャンの訃報が相次いだ年でした。グレン・フライ(イーグルス)、モーリス・ホワイト(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)、キース・エマーソン(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)、プリンス、ピート・バーンズ(デッド・オア・アライブ)、グレッグ・レイク(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)、そして大ヒット曲「ラスト・クリスマス」で有名なジョージ・マイケルはクリスマスに亡くなりました。エマーソン・レイク・アンド・パーマーは現在活動していなかったとはいえ、あっという間にカール・パーマー1人だけになってしまいました。

時代の流れと言ってはそれまでですが、若い頃から好きだったミュージシャン達が次々と鬼籍に入っていくのには一抹の寂しさを感じます。今年はボブ・ディランのノーベル文学賞受賞のような明るいニュースが多ければ良いなと思います。

それと今日は私が相続税の申告をさせていただいたお客様の一周忌でもあります。改めてご冥福をお祈りいたします。合掌。

それでは今週はこの辺で。
また来週お目にかかります。