ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

先週先々週と業務の都合でブログをお休みさせて頂きました。
今週からまた再開いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。

今日は住宅取得等資金の贈与税非課税制度の第4回目です。前回までは非課税制度の内容についてお話ししてきましたが、今回は非課税制度の手続関係について書いていきたいと思います。

この制度の適用を受けるためには贈与の翌年の2月1日から3月15日(3月15日が土・日の場合は次の月曜日)までの間に贈与税の申告をしなければなりません。納税額がゼロになる場合でも申告は必要になりますのでご注意ください。

そして贈与税の申告書に添付して提出しなければならない書類がいくつかあります。これが結構複雑なのですが、①新築等②中古取得③増改築等のそれぞれについて順番に見ていきましょう。
今日は①新築等②中古取得の場合についてこれから書いていきます。

なお、ここでは暦年課税であることを前提にしています。非課税制度と併せて相続時精算課税制度を選択する場合もあるかと思いますが、ここで全て書くとあまりにも複雑で長くなり過ぎますので、相続時精算課税制度を選択した場合については後日また改めて書きたいと思います。

まずは①新築等の場合の添付書類です。一般住宅については下記の通りとなります。
(1)住宅取得等資金の非課税の計算明細書(贈与税の申告書第一表の二)

(2)受贈者の戸籍謄本又は抄本(受贈日以後に作成されたもの)
受贈者が受贈年の1月1日現在で20歳以上であることと、贈与者が受贈者の直系尊属に当たることを確認するためのものです。

(3)受贈者の合計所得金額を証明する書類(源泉徴収票など)
受贈者には所得制限(合計所得金額2,000万円以下)がありますので、それを確認するためのものです。

(4)新築等した住宅用建物に関する登記事項証明書(敷地等を併せて取得等した場合は、その土地等に関する登記事項証明書も)
床面積が50㎡以上240㎡以下であることを確認するためのものです。ただし、申告時点でいわゆる棟上げの状態にはなっているがまだ完成に至っていないときは、登記が完了しておらず登記事項証明書の提出ができませんので、その旨を証する建設請負業者等の書類を提出し、後日登記事項証明書を改めて提出することになります。なおこの場合は申告時点で当然居住もできていませんので、完成後遅滞なく(遅くとも申告年の12月31日までに)居住するとともに登記事項証明書及び住民票を提出することを確約する書類も併せて提出し、後日登記事項証明書を提出する際に住民票も一緒に提出します。

(5)新築等した住宅用建物に関する請負契約書又は売買契約書(敷地等を併せて取得等した場合は、その土地等に関する売買契約書等も)
契約日や対価の額、受贈者の特別な関係者(配偶者・直系血族等)との契約による新築等ではないこと等を確認するためのものです。

(6)受贈者の住民票の写し(居住日以後に作成されたもの)
申告期限までに居住の用に供したことを確認するためのものです。なお、申告時点で建物は完成して居住できる状態になっているにも関わらずまだ居住していないときは、その事情と居住開始予定日を記載した書類及び完成後遅滞なく(遅くとも申告年の12月31日までに)居住するとともに住民票を提出することを確約する書類を提出し、後日改めて住民票を提出します。また、居住できない理由がまだ建物が完成していないためであるときは、上記(4)で説明した手続きを踏むことになります。

非課税枠が一般住宅よりも500万円拡大する省エネ等住宅の場合は、上記に加えて下記のいずれかの書類を一緒に提出します。

(A-1)住宅性能証明書
(A-2)建設住宅性能評価書の写し
(A-3)長期優良住宅建築等計画の認定通知書等の写し及び認定長期優良住宅建築証明書
(A-4)長期優良住宅建築等計画の認定通知書等の写し及び住宅用家屋証明書の写し
(A-5)低炭素建築物新築等計画認定通知書等の写し及び認定低炭素住宅建築証明書
(A-6)低炭素建築物新築等計画認定通知書等の写し及び住宅用家屋証明書の写し

次に②中古取得の場合の添付書類です。(1)から(6)までは基本的に①新築等と同じですが、建物自体は既に存在していますので、いわゆる棟上げの話はここでは関係ないということになります。
また、築20年を超える非耐火建築物又は築25年を超える耐火建築物の場合は、耐震基準に適合していることを証明するために、下記のいずれかの書類が追加で必要になります。

(7-1)耐火基準適合証明書(取得の日前2年以内に証明のための調査が終了したもの)
(7-2)建設住宅性能評価書の写し(取得の日前2年以内に評価されたもので、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)1,2又は3であるもの)
(7-3)既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類(取得の日前2年以内に保険契約が締結されたもの)

なお、取得時点では耐震基準を満たしていなくても、その後耐震改修等を行い申告期限(原則として贈与年の翌年3月15日)までに耐震基準に適合することとなったときは非課税制度の適用が受けられますので、上記に対応して下記のいずれかの書類も提出します。この場合、上記の書類は下記の書類の後(取得日以後)の日付になりますので、取得の日前2年以内という条件はなくなります。

(7-1-1)建築物の耐震改修の計画の認定申請書又は耐震基準適合証明(仮)申請書
(7-2-1)建設住宅性能評価(仮)申請書
(7-3-1)既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書

また、非課税枠が一般住宅よりも500万円拡大する省エネ等住宅の場合は、さらに下記のいずれかの書類も一緒に提出します。

(A-1)住宅性能証明書(取得の日前2年以内又は取得日以後に証明のための調査が終了したもの)
(A-2)建設住宅性能評価書の写し(取得の日前2年以内又は取得日以後に評価されたもの)

(A-3)から(A-6)は新築等の場合だけですので、中古の場合は関係がありません。

少し長くなりましたので、今日はここまでといたします。③増改築等については次回にいたしますので、またぜひご覧ください。

11月に入り、冬の気配が段々強まってきましたね。既に初雪も降り、例年よりも早い冬の到来を予感させます。私も例年より早めに車のタイヤ交換を済ませました。寒くなってきましたので、皆さんも体調管理には十分ご注意ください。

それでは今週はこの辺で。
また来週お目にかかります。