ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。
先週北海道を含む全都道府県で緊急事態宣言が解除され、街中にも少しずつ人が戻ってきましたが、北九州市では第二波と思われる感染者の増加があり、東京都でも東京アラートが発動されるなど、まだまだ予断を許さない状況が続いています。北海道では第一波を超える第二波を既に経験しており、引き続き警戒を怠ることなく徐々に日常に戻っていければ良いなと考えています。当ブログでも今月から新型コロナウイルス感染症に関連した税務上の様々な取扱いについて、連載していきたいと思います。
第一回目の今回は申告・納税の当面の取扱いについてです。国税庁から随時情報提供が行われていますが、ここでは5月29日に更新された最新の情報に基づいて記述していきます。「当面の」取扱いですから、新型コロナウイルス感染症の収束状況如何で取扱いが変わることもあり得ますので、十分に御留意ください。大きな変更がありましたら、当ブログでも随時情報提供していきたいと思います。
まず相続税についてですが、相続税の申告・納付期限は原則として相続開始日の10か月後です。他の税目に比べて比較的余裕がありますが、それでも長期化する新型コロナウイルス感染症の影響によるやむを得ない理由で本来の申告・納付期限に間に合わないという事態も起こり得ます。その場合は、申告書の提出が可能になった時点(災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2か月以内。以下同じ。)で申告書第1表の右上余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載し、提出(電子申告の場合は所定の欄に入力し、送信。以下同じ。)することによって個別延長が認められます。
つまり事前に別途申請書等を提出する必要はないということです。これにより、本来の申告・納付期限が延長され、申告書の提出日が新たな申告・納付期限となります。注意しなければならないのは、申告書の提出日が納付期限にもなる点です。したがって、納税も申告書の提出日当日に忘れず行ってください(遅れると附帯税が別途徴収される恐れがあります)。
次に被相続人の準確定申告(所得税・消費税)についてですが、申告・納付期限は原則として相続開始日の4か月後です。相続税より時間に余裕がありませんので、新型コロナウイルス感染症の影響で遅れることも十分あり得ます。この場合も相続税と同様に、申告書の提出が可能になった時点で申告書第一表の右上余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載し、提出することによって個別延長が認められます。以下相続税と取扱いは同じです。
最後に贈与税についてですが、令和元年分の贈与税の確定申告期限は令和2年4月16日でした。ただし4月17日以降も柔軟に申告を受け付けるという対応となっており、同様に申告書の提出が可能になった時点で申告書第一表の右上余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載し、提出することによって個別延長が認められます。以下相続税・準確定申告と取扱いは同じです。
それでは今回はこの辺で。
次回も新型コロナウイルス感染症関連の情報提供を行う予定です。
皆さんどうかご自愛ください。