ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

年が明けたと思ったらあっという間に2月となり、今年もさっぽろ雪まつりの季節がやってきました。新型肺炎の影響で例年より観客数は少なくなる見込みですが、それでも日本全国、そして世界各地から多くの方が雪まつりを見に来道されるものと思います。昨日からの大雪で足元が悪くなり、今季一番の寒気が入り込んで厳しい寒さとなっていますが、ある意味冬の北海道を味わえるということでもあります。皆さん防寒をしっかりして冬の北海道を満喫していってください。

それでは本題に入って参りましょう。雪まつりの季節がやってきたということは、税制改正の季節がやってきたということでもあります。令和2年度の税制改正も相続等に関係のある重要なものがいくつかありますので、また当ブログで詳しく解説していく予定ですが、そもそも税制改正はいったいどのように行われるのか、その仕組みについて今回は見ていきたいと思います。

税制改正は前年の11月頃から与党の税制調査会で議論がスタートし、12月に税制改正大綱という形でその概要が公表されます。令和2年度税制改正大綱は令和元年12月12日に自民党・公明党から公表されました。大綱により来年度の税制改正の大きな方向性が明らかになります。大綱を法案にする作業は、財務省の主税局が行っています。そして年が明けて1月の終わりから2月の初め頃に税制改正法案として国会に提出され、審議が行われます。今年は1月31日に改正法案が国会に提出されました。その後3月の終わり頃に改正法案が成立し、政令及び省令とともに公布され、原則として4月1日から施行されることになります。昨年は3月27日に成立し、3月29日に公布されています。

ただし、これで全てが終わるわけではありません。法律・政令・省令を併せて法令と言いますが、法令だけで全ての税務上の取扱いが必ずしも明確になるわけではないことから、法令を補足するものとして、だいたい6月から7月頃にかけて国税庁から改正通達が公表され、その後秋ぐらいまでに情報として、改正通達のあらましという詳しい解説が公表されます。さらに、事務運営指針や質疑応答事例なども随時更新され、税務処理に資するものとして公表されています。つまり、これらが全て出揃ってはじめて詳しい税務上の取扱いが明らかになります。このように1年中切れ目なく税制改正についての情報が公表され、そしてまた次年度の税制改正の準備に入るわけです。

法令だけで税務上の取扱いが全て明確にならないことについては、憲法30条及び84条に定める租税法律主義に反するという批判もありますが、ここではそれは論じません。当ブログはあくまでも実務上の観点から著述していますので、現実問題としては法令だけでなく、通達等にも精通していないと適正な税務処理はできないということは知っておいてください。したがって、国税庁のホームページなどで最新情報を常にチェックすることは必須となります。この辺りが税務の非常に特殊で難しいところです。

税制改正の仕組みについては以上になります。令和2年度税制改正の具体的な内容については次回以降連載していきますので、またぜひご覧ください。それと税理士の繁忙期に突入するため、次回のブログ更新は4月を予定しています。どうかご容赦ください。

それでは今回はこの辺で。
次回は雪が溶けた頃にお目にかかります。