ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

今回は前回に引き続いて、参院選の争点となっている減税のうち、ガソリン税(揮発油税及び地方揮発油税)について取り上げます。前回は減税の財源をテーマに書きましたので、そちらも下記のリンクからぜひご覧ください。


【参院選直前短期集中連載①】減税と財源

なお、これまでの繰り返しになりますが、当ブログは特定の政党や政治家を支援するものでもなければ、批判するものでもありません。また、財務省や国税庁を支持したり批判するものでもありません。あくまでも税理士の視点から減税等の問題について、客観的に解説しています。その点どうかご承知おきください。

わかりやすくガソリン税の減税と書きましたが、正確には1974年から上乗せされている暫定税率の廃止のことをいいます。ガソリン税は本来であればリッター28.7円なのですが、「暫定的に」25.1円上乗せされ、53.8円になっています。つまり、「暫定的」だったがはずが50年以上も続いているわけです。

なぜ暫定税率が導入されたかというと、1974年当時は日本列島改造論に基づく道路整備が行われており、それには巨額の財源が必要でした。そこで、道路特定財源(当時)だったガソリン税に白羽の矢が立ったわけです。この頃はまだ舗装されていない道路も多く、また幹線道路も難所(国道36号線の島松沢や国道12号線の神居古潭など)がいくつもあったことを記憶しています。高速道路もまだ殆どない時代でした。したがって、この租税特別措置には国民にも納得感があったものと思われます。

しかしその後、道路整備が進みガソリン代の高騰もあって、ガソリン税の暫定税率に存在意義が見い出しづらい状況となり、「無駄な」道路の新規建設に使われているのではないかという批判が出るようになりました。そこで2009年には道路特定財源ではなくなり、一般財源化されましたが、道路を整備するという暫定税率導入の経緯にはそぐわない状況となり、暫定税率廃止論が出るようになったわけです。

私も昨年まではガソリン税の暫定税率は廃止すべきだと考えていました。なぜなら、暫定税率は道路整備の促進が目的で導入された措置であり、道路整備が進むまでの「暫定的な」ものだったからです。一般財源として何にでも使えるというのは筋が通りませんし、それならば廃止してガソリン代を下げ、経済の活性化を図った方が良いと思われます。


ただ、今年に入ってから考えが変わる出来事が起きました。それは、1月に埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故です。その後も全国各地で道路の陥没が相次いでいます。道路やその下を通る下水管の老朽化は著しく、その点検・修復等に多額の予算が必要なことが想定されます。
また、最近は地震や水害等の災害も多くなっており、避難ルートとして道路を改良する必要性も高くなっています。

したがって、道路特定財源に戻すのであれば暫定税率を存続させても良いのではないかと今は考えます。国民の安心・安全に使われるのであれば、まだ存在意義はあるものと思われます。もちろん、一般財源のままであるならば、存続させる合理的な理由は見当たりませんので、廃止すべきだと考えます。

今回は以上になります。次回はいよいよ消費税の減税を取り上げますので、またぜひご覧ください。