ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

昨日は立春で暦の上では春になりましたが、相変わらず厳しい寒さが続いていますね。昨日の札幌は最高気温が氷点下8.4度という強烈な寒さで、私も今シーズン初めて使い捨てカイロを使用しました。それでも今年は今のところ雪が少ないのでまだ楽な方だと思います。日もだんだん長くなってきましたし、プロ野球もキャンプインするなど、春の到来が少しずつ近づいていると感じます。

それでは本題に入って参りましょう。今回は令和2年度税制改正の第5回目で、最終回になります。今回は新設された譲渡所得の特例について解説していきたいと思います。具体的には、低未利用土地またはその上に存する借地権等の権利(以下「低未利用土地等」といいます。)を譲渡した場合において、一定の要件を満たすときは、譲渡所得の計算上最大100万円の特別控除が受けられるというものです。

この制度が新設された背景には、近年未利用の空き地や利用の程度が著しく低い土地が増加しており、環境面や経済面等において空き家と同様の問題が生じていることがあります。そこでこうした低未利用土地等を流通させ、その利用を促すために譲渡所得の特別控除の制度が創設されることとなりました。

上記一定の要件としては、以下のものがあります。
1.都市計画区域内にある低未利用の土地等であること。
2.譲渡年の1月1日現在で所有期間が5年を超えるもの(長期譲渡所得になるもの)であること。
3.配偶者(事実婚を含む。)・直系血族・生計同一親族など、特別の関係がある者に対する譲渡ではないこと。
4.家屋など上物を含む譲渡対価の額が500万円以下であること。
5.譲渡後に当該低未利用土地等の利用がされること。
6.他の譲渡所得の特例を受けていないこと。
7.市町村の確認書や売買契約書の写しの添付などの申告要件を満たしていること。

また、当該低未利用土地等と一筆であった土地を前年または前々年に分筆し、当該分筆土地等について前年または前々年にこの特例を受けている場合は、再度この特例を受けることはできませんので、注意してください。例えば、時価1,500万円の空き地を3つに分筆して3年連続で100万円控除の特例を受けるようなことはできないということです(1年限りの適用となります)。

また、同一年に複数の低未利用土地等を譲渡した場合には、全部で最大100万円の特別控除となります。それぞれの低未利用土地等について100万円控除できるわけではありませんので、注意してください。また、譲渡益の額が100万円未満(例えば90万円)の場合は、特別控除額はその譲渡益の額(90万円)となります。

相続財産の中にこのような低未利用土地等があるケースも多いかと思いますので、低未利用土地等を相続した相続人の方は少ない税負担で処分(譲渡)することが可能となります。また、相続開始前であれば相続対策として少ない税負担で低未利用土地等を処分・整理し、将来の相続税の納税資金を確保するといった活用方法も考えられます。この制度は令和2年7月1日に開始していますが、令和4年12月31日までの時限立法ですので、将来的には延長の可能性もないとはいえませんが、不動産仲介業者への依頼や北海道空き家情報バンクへの登録(空き地も登録可能。下記リンク先参照。)など、早めに準備をしておいた方が良いでしょう。

北海道空き家情報バンク

また、令和2年中に既に低未利用土地等を譲渡した場合は今年の確定申告で申告しなければなりませんが、申告書には当該低未利用土地等が所在する市町村が発行する低未利用土地等確認書を添付しなければなりませんので、当該市町村に発行申請をする必要があります。札幌市であれば申請から確認書発行までは2週間ほどかかるということですが、この時期は申請が集中することも考えられますので、少し時間に余裕を持って申請した方が良いでしょう。詳しいことは当該市町村に問い合わせてください。ホームページに情報が掲載されている市町村もありますので、確認してみてください。ここでは参考までに札幌市と千歳市のリンクを貼っておきます。

低未利用土地等確認書(札幌市)

低未利用土地等確認書(千歳市)

市町村の確認書が必要な点は、以前当ブログに掲載した相続空き家の譲渡特例に似ていますね。参考としてその記事と札幌市及び千歳市のリンクも貼っておきます。

平成31年度【令和元年度】税制改正について(その4 空き家譲渡特例の見直し)
被相続人居住用家屋等確認書(札幌市)
被相続人居住用家屋等確認書(千歳市)


令和2年度税制改正については以上になります。これから確定申告の繁忙期に差し掛かるため、しばらくブログの定期更新はお休みします。確定申告期限が今年も1か月延びて4月15日(木)となりましたので、次回のブログの定期更新はその後を予定しておりますが、それまでに緊急の情報があった場合は随時発信していきたいと思います。また色々と有益な情報提供を考えていますので、これからも当ブログをぜひご覧ください。

それでは今回はこの辺で。
皆さんどうかくれぐれもご自愛ください。