ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。

先々週と先週の2回にわたって固定資産税についてお話ししました。
その中で地価公示価格という言葉が出てきましたね。
そして土地の固定資産税価格(固定資産税評価額)は地価公示価格のおおよそ7割程度になるということをご紹介させていただきました。

土地に関しては他にも地価調査価格や相続税評価額といったものがあり、このように一口に土地の価格といっても色々な種類があります。
今週はそんな土地の時価についてこれからお話ししていきたいと思います。

まずは地価公示価格についてです。
地価公示価格については、前々回の当ブログでもご紹介しましたが、国土交通省が全国各地に標準地を定め、売買取引価額の参考となる毎年1月1日現在の時価を調査して毎年3月に公表しています。
この標準地の時価を地価公示価格といいます。

地価公示価格によく似たようなものとして、地価調査価格があります。
これは国(国土交通省)でなく、都道府県が各都道府県内に基準地を定め、売買取引価額の参考となる毎年7月1日現在の時価を調査して毎年9月に公表しています。
この基準地の時価を地価調査価格といいます。

地価公示価格も地価調査価格もその趣旨や調査方法はほぼ同じですが、調査時点が半年ずれています。
また、地価公示における標準地は原則として都市計画区域内から選定されますが、地価調査における基準地は林地など都市計画区域以外からも選定されるという違いがあります。

今でこそ地価は比較的安定していますが、かつてのバブル期やその後のバブル崩壊期のように地価が乱高下している時は、1年の間に地価が大きく変動してしまいますので、そういった場合は地価公示と地価調査は相互補完する意味合いを持ちます。
また、今春の北陸新幹線延伸の影響で金沢など北陸の主要都市の商業地の地価が大きく上昇していますが、そのような場合も半年ごとに交互に公表される地価公示価格と地価調査価格には大きな意味があります。

地価調査価格は昨年は9月18日に発表されています。
地価公示価格と同様に、翌日の新聞に掲載になるとともに、下記のリンクで検索することも可能です。
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=0&TYP=0

固定資産税評価額(価格)については、前々回及び前回の当ブログでお話ししましたが、これに似たものとして相続税評価額があります。
これは名前の通り、土地を相続し、あるいは贈与等された場合に相続税あるいは贈与税の計算の基礎となる土地の価格です。

相続税(贈与税)を計算するに当たって、土地の評価をする方法は、倍率方式と路線価方式の2つがあります。
これはどちらか選べるわけではなく、相続あるいは贈与等を受ける土地の所在地で決まります。
ざっくり言うと、倍率方式は農村などの地方や郊外等、路線価方式は都市部や商業地域・住宅街等に適用されることが多いです。

倍率方式は固定資産税評価額に所定の倍率を乗じて相続税評価額を求める方式です。
一方、路線価方式は相続税(贈与税)独自の方式です。
具体的には、道路に価格を付け、その道路に面している土地についてはその価格をもとに土地の相続税評価額を算出します。
その道路に付ける価格のことを路線価といいます。
つまり路線価によって土地の相続税評価額が決まるという仕組みです。

路線価は駅周辺の商業地などいわゆる一等地になるほど高くなっていて、それに応じて土地の相続税評価額も高くなるというわけです。
また、同じ地域でもいわゆる表通りと裏通りでは路線価は大きく異なります。

その年の相続・贈与等に適用される路線価は国税庁が毎年7月1日に公表します。
そしてこの路線価はその年の1月1日現在の地価公示価格のおおよそ8割程度になるように設定されます。
つまり、地価公示価格・相続税評価額・固定資産税評価額の間には10対8対7の関係があるということになります。
ただし、地価公示価格と相続税評価額(路線価)が毎年改定されるのに対して固定資産税評価額は原則として3年に1回の改定という違いがあります。

路線価や倍率など相続税評価額の詳細について調べたい方は下記の国税庁のリンクで検索してみてください。
http://www.rosenka.nta.go.jp

また、地価公示価格・地価調査価格・固定資産税評価額・相続税評価額は下記のリンクで検索することも可能です。
http://www.chikamap.jp

土地の時価についてのお話は以上になります。

いよいよゴールデンウィークですね。
皆さんはどのようなご予定になっていますか?
私は暦通り3日から6日までお休みを戴いて、家でゆっくりくつろぐつもりです。皆さんも有意義な休暇をお過ごしください。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは今週はこの辺で。また来週お目にかかります。