ホームページをご覧の皆さん、こんにちは。
税理士の臼井です。
プロ野球はレギュラーシーズンの全日程が終了しましたね。北海道日本ハムファイターズは昨年の日本一から一転、5位という残念な結果に終わりました。2013年以来の最下位こそ免れましたが、勝率は北海道移転後最低ということで、とても悔しい1年になりました。オフには大谷選手のメジャー移籍が確実視され、中田選手・増井投手・宮西投手・大野捕手もフリーエージェントで移籍の可能性があるようです。主力が大量に流出するとなると立て直しは容易ではありませんが、ファイターズは若い選手が多く育成にも定評がありますので、来年は新生ファイターズの誕生に期待したいところです。引き続き応援しています!
それでは本題に入って参りましょう。今回からは来年(平成30年)から適用になる新しい広大地評価についてお話ししていきたいと思います。正確に言うと「広大地の評価」は廃止となり「地積規模の大きな宅地の評価」という名称に変わるのですが、実質的には広大地評価の改正ですので、ここではわかりやすくするために新しい広大地評価という表現にしておきます。まずは新しい広大地評価の評価額がどうなるかについて見ていきましょう。新しい算式は以下の通りです。
路線価等×奥行価格補正率×新広大地の地積×各種画地補正率(不整形地補正率など)×規模格差補正率
ここで現行の広大地評価の算式をおさらいしておきましょう(詳しくはここをクリックしてリンク先の当ブログをご覧ください)。
路線価等×広大地補正率{0.6-0.05×(広大地の地積÷1,000㎡)}×広大地の地積 ※広大地補正率の下限は0.35
新しい算式は少し複雑になりました。これはなぜかと言うと、現行の広大地評価では奥行価格補正率や各種画地補正率(不整形地補正率など)は全て広大地補正率に盛り込まれて一本化されていたものを、新しい広大地評価では細分化し、奥行価格補正率と各種画地補正率(不整形地補正率など)と規模格差補正率に分けたからです。ではなぜ新しい広大地評価ではそのように細分化したのでしょうか。
現行の広大地評価だと土地の形状の良し悪しに関わらず、地積が同じで広大地の要件を満たしていれば、評価額は同じになります。しかし実際の土地取引では、土地の形状の良し悪しが取引価額に大きく影響します。したがって、現行の広大地評価では評価額と実際の取引価額(時価)とが大きく乖離する場合があります。平成16年の改正で現行の広大地評価になってから13年余りが経過しており、現行の広大地評価がこのような土地取引の実情に合わなくなってきたということが今回の改正の背景になっています。
新しい算式をもう少し詳しく見ていきますと、奥行価格補正率と各種画地補正率(不整形地補正率など)については、奥行価格補正率に一部改正があったこと以外は従来通りですので、目新しいのは規模格差補正率になります。新設された規模格差補正率は次の算式により計算します。
規模格差補正率=(新広大地の地積×Ⓑ+Ⓒ)÷新広大地の地積×0.8
※小数点以下第2位未満切捨
ⒷとⒸは地積によって変わってきます。また、三大都市圏とそれ以外によっても違うのですが、北海道は三大都市圏以外になりますので、そちらの数値をご紹介します。
(1)1,000㎡以上3,000㎡未満 Ⓑ=0.90 Ⓒ=100
(2)3,000㎡以上5,000㎡未満 Ⓑ=0.85 Ⓒ=250
(3)5,000㎡以上 Ⓑ=0.80 Ⓒ=500
少しわかりにくいと思いますので、地積ごとにいくつか例を挙げてご説明いたしましょう。
(1)1,000㎡の場合
規模格差補正率=(1,000㎡×0.90+100)÷1,000㎡×0.8=0.80
(2)3,000㎡の場合
規模格差補正率=(3,000㎡×0.85+250)÷3,000㎡×0.8=0.74(小数点以下第2位未満切捨)
(3)5,000㎡の場合
規模格差補正率=(5,000㎡×0.80+500)÷5,000㎡×0.8=0.72
(4)10,000㎡の場合
規模格差補正率=(10,000㎡×0.80+500)÷10,000㎡×0.8=0.68
現行の広大地補正率と比べてみましょう。
(1)1,000㎡の場合
広大地補正率=0.6-0.05×(1,000㎡÷1,000㎡)=0.55
(2)3,000㎡の場合
広大地補正率=0.6-0.05×(3,000㎡÷1,000㎡)=0.45
(3)5,000㎡の場合
広大地補正率=0.6-0.05×(5,000㎡÷1,000㎡)=0.35【下限】
(4)10,000㎡の場合
広大地補正率=0.35【下限】
このように規模格差補正率は広大地補正率にくらべると補正率が高くなっていることがわかります。つまり奥行価格補正率と各種画地補正率(不整形地補正率など)による補正がない土地、言い換えると形状の良い土地については評価額は上がるということになります。また、広大地補正率では端数調整がないのに対して、規模格差補正率では小数点以下第2位未満切捨の端数調整がある点にも注意が必要です。
少し長くなりましたので、今日はここまでにいたします。次回も引き続き新しい広大地評価の評価額について、地積や形状の異なるいくつかの土地の具体例を交えながら、さらに詳しくお話ししていきたいと思っています。またぜひ当ブログをご覧ください。
それでは今週はこの辺で。
また再来週お目にかかります。